日　出　城 大分県速見郡日出町日出 立地・構造 　日出城は国東半島の南西端、別府湾に面した段丘先端（比高２０ｍ）に築かれた平山城です。城の規模は東西７００ｍ×南北４５０ｍほど、城縄張りは別府湾に面して本丸を配し、本丸の東ー北ー西側をコ状に巻くように二の丸が設けられています。本丸・二の丸間は堀で仕切られ、本丸の北側に大手門が、東側に裏門が構えられ土橋で繋がっていました。また二の丸の東側に三の丸が設けられ、三の丸の北側に町屋敷を含む外郭が敷設され、全体として梯郭構造で構築されています。本丸の規模は東西９０ｍ 現地説明板の図 豊後国日出城絵図 ×南北１３０ｍほど、南東隅に三層の天守が、内部に五基の二重櫓が構えられ、北の大手門と東の裏門で二の丸に繋がっていました。現在、本丸は日出小学校の敷地、二の丸東部が日出中学校の敷地になっていて、本丸の周辺の石垣・堀は良好な状態で保存されています。 　日出城は慶長６（１６０１）年、豊後国日出に入封した主木下右衛門大夫延俊により築かれたとされます。延俊は高台院おねの兄 木下家定の三子で、慶長５（１６００）年の「関ヶ原」の際 東軍に加担して西軍の福知山城攻めで軍功を挙げ、日出に移封されました。そして延俊は当時、青柳村と呼ばれていた別府湾を望む場所を本丸とする城縄張りを設計し、義兄の細川忠興の支援を受けて日出城を竣工させました。以後、木下氏が「明治維新」まで日出城に在城し、明治７（１８７４）年 日出城は太政官達「全国城郭存廃ノ処分並兵営地等撰定方」により廃城となり建物は競売にかけられました。 歴史・沿革 日出城　本丸の天守台 メモ 近世 日出木下藩の藩庁 形態 近世平山城 別名 暘谷城・青柳城 遺構 郭（平場）・天守台・櫓台・虎口 門祉・石垣・移築櫓・移築門・堀・土橋・石塀 場所 場所はココです 駐車場 日出町観光案内所に駐車場あり 訪城日 令和４（２０２２）年５月３１日 日出城は別府湾に面した丘陵上に築かれた平山城で、城下は現在、日出市街地になっていて、道路はたぶん往時のものをトレースしたものなのでしょう。でっ、往時 城外から外郭・三の丸に繋がる虎口は西に八日市門が（写真左上）、北に藤原口門が（写真右上）、東に浜口門が設けられていました。 また外郭・三の丸から二の丸に繋がる虎口は北に外大手門が（写真左）、東に中門が設けられていました。（写真左下） なお虎口はすべて桝形構造だったようです。　（写真右下） 二の丸 本丸は現在、日出小学校敷地になっているため入ることはできませんが、周囲の堀や石垣、櫓台は良好な状態で見学できます。（写真左上ー蒲鉾塀の残る大手土橋 写真右ー現地説明板の図 写真左下ー裏門に繋がる土橋と裏門櫓台 写真右下ー本丸北堀） なお本丸の北西隅に月見櫓が、西側中央に渡り櫓が、南西隅に望海櫓が、南東隅に天守櫓が、東側中央に裏門櫓が、北東隅に鬼門櫓が構えられていました。 （写真左上） 本丸西堀 （写真右上） 本丸東堀 （写真左） 本丸南石垣 （写真左下・右下） 本丸南虎口 　 （写真左上） 本丸北西隅 （写真右上） 本丸裏門櫓台 （写真左下・右） 天守台、天守台に構築された天守櫓は付櫓を付属させた複合形態の三層天守。規模は下段が東西八間×南北九間半、中段が東西五間×南北六間、上段が東西四間×南北五間と伝えられます。 鬼門櫓（写真左上） 本丸の北東隅に設けられていた二重櫓。平成２５（２０１３）年、修復され現在地に移築。規模は四間四方。 裏門櫓（写真右上） 本丸裏門に設けられていた平櫓。規模は東西二間×南北三間。 藩校致道館（写真左） 安政５（１８５８）年、藩主 木下俊程の命により開校した日出藩の藩校。昭和２６（１９５１）年、日出中学校の開校にともない、現在地に修復移築されました。（場所はココです） （写真下） 本丸から別府湾を望む ー 動画 日出城を歩く ー