乗政寺祉 岩村藩主の廟所
岐阜県恵那市(旧岩村町)岩村町殿町
 慶長6(1601)年、松平和泉守家乗(大給松平家本家)は上野国那波から美濃国岩村に加増移封され、岩村城下に菩提寺として「久翁山 龍巌寺」を開山します。しかし家乗のあとをついだ和泉守乗寿(のりひさ)は寛永15(1638)年、遠州浜松に移封され、かわって岩村には三河国伊保から丹羽式部少輔氏信(一色丹羽家)が入封しました。そして氏信は龍巌寺の跡地に丹羽家の菩提寺である「大椿山 妙仙寺」(曹洞宗)を尾張から移築したとされます。しかし丹羽和泉守氏音の代の元禄15(1702)年、岩村丹羽氏は御家騒動により越後国高柳に減知転封を命ぜられ、かわって岩村には大給松平分家の松平美作守乗紀(のりただ)が信州小諸から入封し、妙仙寺の跡地に菩提寺である「松石山 乗政寺」(浄土宗)を小諸から移築しました。明治4(1871)年の「廃藩置県」後、住職が死去したため乗政寺は廃寺となり、この際 遺物は大給松平家に縁のある「晴雲山 隆崇院」(浄土宗)に移管されました。(場所はココです)
大給松平家の供養塔群
松平真乗の供養塔
松平真乗は戦国末期の大給松平本家の当主で家乗の父にあたる人物
「梅香院殿清岸道翁大禅定門」
松平乗国の供養塔
松平乗国は岩村松平藩(大給松平分家) 三代藩主乗薀の長男
「玄達院殿踏幸幻光大童子」
松平乗友の供養塔
松平乗友は岩村松平藩(大給松平分家) 四代藩主乗保の嫡子。兵庫頭。家督相続前に早世
「大成院殿仁雄智大居士」
松平松樹院の供養塔
松平松樹院は大垣藩主石川康道の娘で松平家乗の正室。供養塔(逆修碑)は嫡子の乗寿が建立したもの
「右趣者松樹院殿栄誉盛繁大信女逆修也 寛永九壬申年八月十一日」
丹羽家の廟所 
式部少輔氏信の墓碑
三河国伊保藩 二代藩主、岩村丹羽藩 初代藩主
「慈明院可山道印」
式部少輔氏定の墓碑 
岩村丹羽藩二代藩主
「興昌院殿桃雲宗蕚大居士」
式部少輔氏純の墓碑 
岩村丹羽藩 三代藩主
「直指院性山義見」
長門守氏明の墓碑 
岩村丹羽藩 四代藩主
「性覚院徳雲道海」
丹羽氏春の墓碑 
岩村丹羽藩 初代藩主 氏信の三男。正保3(1646)年、二代藩主で兄の氏定より千石を分知される。次男 氏音は岩村丹羽藩 五代藩主となる。