雷 命 神 社
長崎県対馬市(旧厳原町)厳原町阿連
 雷命(らいめい)神社は延長5(927)年に編集された『延喜式神名帳』に記された「對馬嶋下県郡 雷命神社」に比定される「式内社」です。創建時期は不明、御祭神は雷神 雷大臣命(いかつおみのみこと)とされ、古くは「いかつちのみこと」、近世には「八龍大明神」と呼ばれていました。雷大臣命は中臣伊賀都臣(なかとみのいかつおみ)の子で神功皇后の審神者(さにわ)をつとめた中臣烏賊使主(なかとみのいかつのおみ)、のちに阿連に居住して対馬亀卜の祖とされます。なお毎年 旧暦の十一月九日 「オヒデリサマ」 神事が行われています。これは旧暦の九月二十九日 雷神が出雲に出かけ、十月二十九日に戻る間(神無月)、「オヒデリサマ」が山から里に下って村を守り、十一月九日 山に戻るとされる神事で、毎年 氏子が山中にある「オヒデリサマ」の祠まで「オヒデリサマ」をお送りする行事です。(「本山送り」(場所はココです)
参道 
参道 
二の鳥居 
雷命神社 拝殿 
伝教大師入唐帰国着船之地顕彰碑
伝教大師最澄は延暦21(802)年、桓武天皇より「入唐求法」(にゅうとうぐほう)の留学生に選ばれ入唐します。そして同24(805)年の帰国の際、最澄の乗る船は漂流し 阿連に漂着したとされます。
阿連集落
阿連地区は対馬海峡に面した対馬下島西海岸にある半農半漁の集落です。集落は北ー東ー南の三方を山に囲まれ、近年まで「陸の孤島」でした。『海東諸国紀』(15世紀中期の朝鮮の書)によると戸数は百余戸。当時としては大きな集落だったようです。