建 長 寺
神奈川県鎌倉市山の内
 正式名称は巨福山(こふくさん) 建長興国禅寺」。臨済宗建長寺派の大本山、「鎌倉五山」の第一位。建長寺は禅宗に帰依していた鎌倉幕府の執権 北条時頼が南宋からの渡来禅僧 蘭渓道隆(らんけい どうりゅう)を招いて開基したとされ、『吾妻鏡』によると建長寺の造営は建長3(1251)年から工事が開始され、同5(1253)年 落慶法要が営まれたとされます。その後、建長寺は正応6(1293)年の「鎌倉地震」により伽藍の大部分が崩壊しましたが、南宋からの渡来禅僧 一山一寧(いっさん いちねい)により再興されました。そして正和4(1315)年、応永23(1416)年にも火災により伽藍は焼失し、再建のため幕府公認の貿易船が元へ派遣されています。江戸期には徳川幕府の支援を受けて伽藍の新築、また他寺からの堂舎移築が行われていました。御本尊は地蔵菩薩、建長寺境内は国の史跡に指定されています。(場所はココです)
総門 
天明3(1783)年に建立された京の般舟三昧院(はんじゅ ざんまいいん)の門を昭和15(1940)年に移築したもの。
三門 
安永4(1775)年の再建。三間一戸の二重門で上層屋根は(こけら)葺きの銅板葺き。上層部には「建長興国禅寺」の扁額が掲げられています。国の重要文化財に指定。
仏殿 
木造二層の寄棟造。もともと芝増上寺にあった徳川秀忠の正室 崇源院の霊屋(おたまや)を正保4(1647)年の建替の際、建長寺に譲渡されたもの。このため建物は禅宗寺院の仏殿で一般的な入母屋造でなく寄棟造になっています。堂内には御本尊の地蔵菩薩坐像(室町時代の作)や地蔵菩薩坐像、千体地蔵菩薩立像、千手観音坐像、伽藍神像などが安置されています。
地蔵菩薩  梵鐘 
建長7(1255)年、鋳物師 物部重光の作。記銘文は蘭渓道隆の撰と伝えられます。国宝に指定。
法堂 
木造二層方三間の入母屋造、屋根は銅板葺き。文政8(1825)年の竣工。内部には千手観音坐像が安置されています。国の重要文化財に指定。
唐門 
方丈の入口。仏殿と同様、芝 増上寺の徳川秀忠正室 崇源院の霊屋から移築したもの。平成23(2011)年、大修理。国の重要文化財に指定。
方丈 
通称 「龍王殿」、京の般舟三昧院(はんじゅ ざんまいいん)からの移築。庭園は南禅寺の禅僧 夢窓疎石(むそう そせき)の作と伝えられます。
方丈庭園