岩 見 館
秋田県秋田市(旧河辺町)河辺岩見字岩見
立地・構造
  岩見館は岩見川中流域の左岸、北西方向に張り出した丘陵突端(比高30m)に築かれた平山城です。規模は東西120m×南北50mほど、東側の丘陵鞍部を堀で断ち切って城域を独立させています。城縄張りは頂部に構築された主郭と西側に敷設された西郭、東側
岩見館 概念図
に敷設された東郭からなる階郭構造で構築され、規模は主郭が東西45−50m×南北25m、西郭が東西20m×南北25m、東郭が東西20m×南北25mほど。大手筋は西麓からのルートが想定され、西郭から主郭への導線は主郭の西切岸に設けられています。同地は岩見川中流域を見下ろす高所に位置し、在地領主の居館として築かれたものと思われます。

 築城時期・築城主体・館主ともに不明。『秋田沿革史大成』「安部道寛、同武文、同武芳住ス。岩見殿ト云モノ住ス」と記されています。館主は岩見川流域を影響下に置いた豊島城主 豊島氏の支配下にあった在地領主か?。
歴史・沿革
岩見館 東側の堀切
メモ
・・・・・・・
形態
平山城
別名
寺の館
遺構
郭(平場)・虎口・土塁・堀
場所
場所はココです
駐車場
千手院の駐車場借用
訪城日
令和4(2022)年4月5日
岩見館は岩見川の中流域、岩見地区背後(東方)の丘陵上に築かれた平山城です。(写真左上ー南西側からの遠景) でっ、館の西麓に千手院があり(写真右上)、千手院の脇から林道が敷設されています。(写真左) でっ、林道をしばらく進むと進行方向左側に道が敷設され(写真左下)、ここで左折すると西郭に辿り着きます。(写真右下) 西郭の規模は東西20m×南北25mほど、端部は細長い帯郭で処理され、主郭間は5−6mの切岸で仕切られています。
岩見館 西郭
岩見館 北西帯郭
(写真左上) 北西帯郭、端部が主郭に繋がっていますが、後世の改変でしょう。
(写真右上) 主郭・西郭間の段差、主郭への導線は西側切岸に設けられ 主郭の西虎口に繋がっています。(写真右)
主郭(写真左下・右下) 規模は東西45−50m×南北25mほど、北東端が10−15m四方×高さ1mの土壇になっています。
岩見館 主郭の虎口
岩見館 主郭 岩見館 主郭
岩見館 主郭 北東端の土壇 岩見館 東郭
岩見館 東郭 北土塁
(写真左上) 北東端の土壇
東郭(写真右上) 規模は東西20m×南北25mほど、内部は相当凸凹し、縁部に高さ1m前後の土塁が築かれています。(写真左ー北土塁 写真左下ー南土塁) でっ、東側稜線は5−6m切り落とした堀で切られています。(写真右下)
岩見館 東郭 南土塁 岩見館 東堀切