義 経 寺
青森県東津軽郡外ヶ浜町(旧三厩村)三厩家ノ上
 正式名称は「竜馬山 義経寺」、津軽半島の北端、三厩地区にある浄土宗寺院です。御本尊は聖観音菩薩。古くは真言宗の観音堂を初源とし、津軽三十三観音の十九番札所になっています。寺伝(『奥州津軽合浦外ヶ浜三厩竜馬山観世音縁起』)によると、平安末期 平泉を逃れて津軽半島から蝦夷地に渡ろうとした源義経主従は三厩に辿り着いたものの悪天候のため渡れず。このため義経は厩石の上に座し、自ら所持していた観音像に祈祷したところ、白髪の翁が現れ、「汝の至心に岩中にある三疋の竜馬を与ふるなり、乗じて渡るべし」と告げて姿を消し、その後 義経主従は蝦夷地に渡ることができたと伝えられます。その後、寛文7(1667)年 観音像はこの地を訪れた行脚僧 円空により発見され、円空が彫った観音像の胎内仏となります。そして円空は観音像を安置するため草庵(観音堂)を結び、これが義経寺の初源となります。近世、観音堂は松前渡海や海上安全の祈願所として海運業者から深く帰依を受けましたが、明治維新後の廃仏毀釈によって浄土宗に改宗され、義経寺と改名されました。現在、津軽海峡を見下ろす境内に本堂、観音堂、弁財天堂等が建てられています。(なお本堂は訪ねた日に法事があるらしく撮影できる状態ではなかったです)(場所はココです)
 東麓からの近景
義経寺は津軽海峡を見下ろす高台にあります。でっ、高台の前面にあるのが厩石です。
 境内
一般的な神社形態になっていますが、鳥居の代わりに仁王門が構えられています。たぶん神仏習合期の名残なのでしょう。
 仁王門
 観音堂
一般的な神社形態の拝殿にあたるのでしょう。
 本殿
観音堂の裏側にあります。一般的には拝殿に対する本殿だと思うのですが ・・・・・。観音像が安置されているのはここか?。
 弁財天堂
 三厩漁港
三厩港は藩政期、弘前津軽藩が構えた「船溜り」を初源とします。松前藩主は参勤交代のたびにこの船溜りを利用しました。
 厩石
旧三厩村の地名の由来になった岩山で、義経はこの岩の上で三日三晩、観音像に祈祷したと伝えられます。
 源義経龍神塔、静御前龍神塔、源義経渡海之地標柱