伊 勢 ノ 腰 館
秋田県大仙市(旧中仙町)栗沢
立地・構造
 伊勢ノ腰館は仙北平野の北東縁、奥羽山脈から西方向に張り出した小尾根先端(比高70m)に築かれた山城です。城の規模は東西130m南北50mほど、内部は大
伊勢ノ腰館 概念図
きくは西端のピークに構築された本郭と稜線鞍部(自然の堀)を挟んだ東郭からなります。本郭の規模は東西15m×南北12−15mほど、周囲は急峻な断崖になっていて、周囲は2−3段の帯郭・腰郭で囲まれています。また比較的 緩斜面になっている北側は横堀で処理され、堀底は東側の堀切に繋がっています。東郭は東西40m×南北7−8mほど、内部は東西の2段構造になっていて、東側の稜線続きを堀で遮断しています。大手筋は南西麓からのルートが想定され、現在 登山道になっている西側斜面のつずらおれのルートが往時の導線をトレースしたものと思われます。全体的に郭の規模は小さく、有事の際「避難郭」、あるいは物見砦として利用されたものと思われます。

 築城時期・築城主体・城主ともに不明。戦国期、角館城主 戸沢氏の支配下にあった勢力(白岩氏か?)の物見砦か?
歴史・沿革
伊勢ノ腰館 本郭東側の堀切
メモ
・・・・・・・・・
形態
山城
別名
・・・・・・・・・
遺構
郭(平場)・土塁・虎口・堀
場所
場所はココです
駐車場
路上駐車
訪城日
平成19(2007)年11月30日 平成25(2013)年4月22日
伊勢ノ腰館は栗沢地区背後の丘陵上に築かれた小規模な城砦です。(写真左上) 現在、館祉に太平山神社が祀られ、南西麓の神社鳥居から登山道が設けられています。(写真右上) でっ、登山道は急斜面をつずらおれに敷設され(写真左)、最後は狭い間隔で4度 クランクして(写真左下)、本郭西側下の腰郭に辿り着きます。(写真右下) 腰郭の規模は幅5−6mほど、本郭と1.5mの段差で仕切られ、本郭の北側に廻り込みます。なお登山道が往時の大手導線かは不明ですが、ま〜〜〜 それに近いものと思われます。
本郭(写真左上) 規模は東西15m×南北12−15mほど、北側に太平山神社が祀られています。社殿の背後(東側)に土塁の痕跡らしきものも見られますが・・・・・、神社創建時のものかも。(写真右上) でっ、本郭の周囲は2−3段の帯郭で処理されています。規模は幅3−8mほど、2−3mの段差で仕切られています。(写真右ー北側下の帯郭@ 写真左下ー南側の帯郭@ 写真右下ー東側の腰郭) ま〜〜〜、規模はメチャクチャ小さく、常識的に物見郭として使用されたのでしょう。
本郭の背後(東側)を仕切った堀切は幅4−5m×深さ2mほど(写真左上)、北側に延びた堀は西方向にクランクして横堀に変化します。(写真右上) 横堀の規模は幅4−5m×本郭側は3−4m切り落とした切岸で処理されています。でっ、本郭・東郭間は稜線鞍部を利用した自然の堀で仕切られています。(写真左) 鞍部と東郭との高低差は10−15mほど。
東郭(写真左下) 稜線尾根を利用した郭で、規模は東西40m×南北7−8mほど、東西の2段構造になっています。東側は幅4−5m×深さ2mの堀切で切られています。(写真右下)
水神社(写真右) 伊勢ノ腰館とは直接関係ありませんが、西へ3kmの場所に位置する神社です。ここには秋田県内唯一の国宝 「線刻千手観音等鏡像」が御神体として祀られています。
 
秋田の中世を歩く