下 上 野 館
秋田県能代市常盤字下上野
立地・構造
 下上野館は米代川下流域の右岸、北から南方向に張り出した丘陵上(比高15−20m)に築かれた平山城です。館は米代川の支流 常盤川と沢に挟まれた南北に細長い段丘先端に位置します。規模は東西80m×南北180mほど、内部は二重堀で仕切られた南北の2郭からなり、南側の平場が本郭と推測されます。規模は本郭が東西60m×南北100m、北郭が東西40−50m×南北25m、二重堀はそれぞれ幅7−8m×深さ1.5−2mほど、大手筋は南西麓からのルートが想定されます。同地は米代川沿いの沖積平野を眺望できる高所に位置し、築城当
下上野館 概念図
初 開発領主の日常居館として築いたものを、後に背後の防御を固めて要害性を高めたものと思われます。現在、本郭に常盤神社が祀られ相当 改変されていると思われますが、北側稜線を遮断した二重の二重堀がほぼ完存しています。

 築城時期・築城主体・館主ともに不明。一説に檜山安東氏の支配下にあった村落領主の居館とも。 
歴史・沿革
下上野館 北郭北側の二重堀(内堀)
メモ
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形態
平山城
別名
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遺構
郭(平場)・土塁・虎口・堀
場所
場所はココです
駐車場
南麓の鳥居脇に空地あり
訪城日
平成25(2013)年5月9日
下上野館は米代川の北岸、常盤刈橋地区東方の小高い丘に築かれた平山城です。(写真左上ー南側からの遠景) でっ、城のある丘は西側の常盤川と東側の沢に挟まれ(写真右上ー東側の沢)、南方向に張り出した舌状台地になっていて、南端が城域になります。でっ、現在 突端部分が常盤神社の境内になっていて、南麓の国道沿いから参道が設けられています。(写真左ー史跡標柱あり) また南西麓からも古い参道?が残っていますが(写真左下)、参道は中腹部分で2度 クランクさせる構造になっていて、往時の大手導線を踏襲したものなのでしょう。(写真右下)
本郭(写真左上) 規模は東西60m×南北100mほど、現在 北端に常盤神社が祀られています。(写真右上) でっ、北郭間は規模の大きい二重堀で分断されています。(写真右ー内堀 写真左下ー中土塁と外堀) 規模はそれぞれ幅7−8m×深さ1.5−2mほど、中土塁は高さ2mほど。
北郭(写真右下) 規模は東西40−50m×南北25mほど、ま〜〜〜 北側の稜線続きに備えた郭なのでしょう。
さらに北郭の北側稜線も本郭・北郭間の二重堀と同様、規模の大きい二重堀で遮断され、下上野館は完結します。(写真左上ー内堀 写真右上ー中土塁 写真左ー外堀) 規模は内堀・外堀それぞれ幅7−8m×深さ2mほど、中土塁は下幅5−6m×高さ2mほど、内堀は意識的にクランクさせられています。ま〜〜〜、秋田県の城館で二重堀を二重に設けた城館というのは、なかなかお目にかかれるものではなく、レアな例と言っていいでしょう。
秋田の中世を歩く