小 比 叡 蓮 華 峰 寺
新潟県佐渡市(旧小木町)小比叡
 正式名称は「小比叡山 蓮華峰寺」。佐渡島の南西部、小木湊から北東2.5kmの中山間地にある真言宗 智山派の寺院。創建は平安初期の大同3(808)年、弘法大師空海により開基されたと伝えられ、後に嵯峨天皇の祈願所になったとされます。蓮華峰寺は古くから大金剛寺、室生寺とともに真言宗の三大霊地のひとつとされ、現在は「佐渡八十八札所」の第六番札所に数えられています。なお京の鬼門にあたる比叡山と佐渡小比叡は御所から見て同一線上にあるため、空海が王城鎮護の霊場として ここに蓮華峰寺を創建したとの説もあるようです。江戸期、蓮華峰寺は徳川家康の廟所になるなど繁栄しましたが、慶安5(1652)年の「小比叡騒動」により客殿、庫裏を焼失しました。現在、谷地に囲まれた境内には金堂を中心に仁王門、客殿、庫裏、鐘楼堂、弘法堂、御霊屋、骨堂、八角堂、八祖堂、山王権現社、小比叡神社などの伽藍建築物が現存し、その多くが国の重要文化財に指定されています。(場所はココです)
参道口 
八角堂 
木造平屋建、銅板葺きの八角円堂。江戸中期の建築物とされます。平成14(2002)年、国の登録有形文化財に指定。
御霊屋 
台徳院御霊屋。徳川家康、家光の御霊屋。形状は切妻造りの妻入構造。内部の彫刻、彩色は東照宮と同じもの。寛文(1661-72年)ー寛延年間(1748-52年)の建築物と想定されています。
八祖堂(はっそどう) 
木造平屋建、入母屋造りの銅板葺きの三間堂。創建は寛文(1661-72年)ー寛延年間(1748-52年)と見られています。平成14(2002)年、国の登録有形文化財に指定。
鐘楼堂 
袴腰付きの鐘楼堂で、寄棟造の銅板葺き。上層階は桁行三間、梁間二間。平成14(2002)年、国の登録有形文化財に指定。
仁王門 
入母屋造り、桟瓦葺きの八脚門。平成14(2002)年、国の登録有形文化財に指定。
吽形
阿形
金剛力士像 
仁王門の両脇侍に安置されている鎌倉前期と推測されている木像。吽形像は像高207㎝のケヤキの一本割矧造。阿形像は像高208cmの寄木造。新潟県の有形文化財に指定。
金堂 
桁行五間、梁間五間の入母屋造、銅板葺の建造物。内部には聖観音像が安置されています。解体修理の際、堂内から長禄3(1459)年に巡礼者が記した墨書が発見され、金堂の創建時期は応永年間(1394-1427年)と推測されています。明治39(1906)年、国の需要文化財に指定。
唐門 
禅宗様の四脚門。江戸中期の建造物と想定されています。
客殿 
桁行十三間半、梁間九間の山内最大の建築物。明治30(1897)年の水害で倒壊後、再建。
護摩堂 
木造平屋建て、入母屋妻入り造りで桟瓦葺きの三間堂。元禄3(1690)年の建築物。平成14(2002)年、国の登録有形文化財に指定。
蜜蔵院 
木造平屋建て、宝形造りで桟瓦葺きの三間堂。天保15(1844)年の建造物。平成14(2002)年、国の登録有形文化財に指定。