葛 原 館
秋田県大館市葛原字古館、堀間、館ノ下、狐森、膳棚
立地・構造
  葛原館は米代川中流域の右岸、北から南方向に張り出した段丘先端(比高30m)に築かれた平山城です。規模は東西550m×南北250mほど、郭は西側から西郭ー主郭ー東郭が設けられ、各郭間は侵食谷を自然の濠として区画されています。規模は主郭
葛原館 概念図
が東西120m×南北150m、西郭が東西50m×南北90m、東郭が東西90m×110mほど、西郭の北縁は堀で区画されていますが、主郭、東郭に堀が見られず背後は北側の斜面に繋がっています。往時、葛原館の南麓は米代川が蛇行する湿地帯と推測され、館は米代川を最大の要害として成立していたものと思われます。なお東麓に「根小屋」「屋布後」「下屋布」「屋布下」等の字名が残っているようです。

 築城時期・築城主体・館主ともに不明。同地の南東3kmに鹿角勢力の高梨館が、南西3kmに比内勢力の十二所城があり、中世 同地は鹿角・比内の「境目」に位置していたと思われます。
歴史・沿革
葛原館 主郭西側の堀(沢)
メモ
・・・・・・・・・
形態
平山城
別名
・・・・・・・・・
遺構
郭(平場)・堀
場所
場所はココです
駐車場
老犬神社の駐車場借用
訪城日
平成21(2009)年5月26日 令和2(2020)年11月26日
葛原館は米代川中流域の北岸、河岸段丘先端に築かれた平山城です。(写真左上ー南西側からの遠景) でっ、葛原館の北方に老犬神社が鎮座しており、老犬神社への誘導杭通りに進むと葛原館に辿り着きます。ちなみに車道は主郭東側の切岸に沿って敷設されています。(写真右上) 辿り着いた主郭の規模は東西120m×南北150mほど(写真左)、西側に幅20mの侵食谷が切り込み(写真左下)、西郭が敷設されています。(写真右下) 規模は東西50m×南北90mほど、北側は堀で断ち切られています。全体的に規模の大きい平場を持つ葛原館ですが、加工度は低く、臨時の駐屯地として取り立てられた城砦と思われます。
西郭北側の堀切 南西郭方向